ここはめけ助の場外乱闘場。

認知症の母と暮らしてたおはなし② 介護認定

最初に気づいていたのは多分本人(ババ)で、我々子供(わたしと兄)は加齢によるボケ程度と。

 

父の入院が長期化した末に亡くなり、日々のことを少しづつ忘れて本人は「ご飯のこと考えなくていいから気楽」と喜んでいたけど、それがある意味引き金なんだろうね、まず料理が出来なくなっていき居候の兄の為に日々せっせと同じスーパーのお惣菜を「お店のひとがこれが美味しいから買いなさいと言ったから」と買ってくる。きゅうりや大根なんかの当たり前の素材を「食べられるもの?」と聞き、わたしが作ったものをしげしげと見つめ「こんなの食べたことなかったわ」(ババの得意料理ですが)と言い出したのが2011年。

 

もともとなにかしら自覚が有ったのか、ババは「わたしバカになっちゃったみたい」と口にして、そんな時わたしは「バカって言ってるとバカになるから言わない」と。(結局この「わたしバカになっちゃった」という言葉は、会話不可になる直前まで口に出してたセリフになってしまったからやっぱり自分で口にしたらいけないぞ。)

もしや耳が悪くて聞き取れないせいで理解できないのかもと補聴器をすすめたり、(音が嫌だと結局つけなかった)目が見えづらくてテレビの内容もわからないのかと眼鏡を新調したり、最終的には医師の診断による投薬(アルツハイマー型であろうと薬を出されていたけど、これは後に誤診と判明)を開始したけれど、どうやらこっそり薬を飲むのを放棄して捨てていたらしい。(これはご近所の人から「お母さん薬を飲むと頭がいたくて飲むのやめたって言ってたわよ」と聞かされて判明)

 

この頃一度介護認定で要支援2。

その翌年は認定申請せず(兄の「まだ不要だ」と私の多忙さ。あと当時の担当ケアマネの怠慢も有り。ケアマネは当たりハズレありますぶっちゃけ)。これが失敗だった。申請は落ちてもひたすら継続で申請するべきだった。(これについてはまた後で)

 

若い頃からひとりで歩くのが好きで、山育ちのせいか足腰は丈夫。東京都のシルバーパス(70歳以上に交付、都内のバスほとんどが無料)を手に地元駅からバスに乗り行き着くところまで行き、そこから乗り継ぎまた乗り継ぎ。今日はどこそこへ行って来たと楽しそうに話す様子に、それを止めることもなく日々過ぎていったけど、だんだん帰宅が遅くなる日が増え、すわ警察に捜索願いかって時間になって「親切な人が声をかけてくれて駅まで戻る電車に乗せてくれた」とへとへとで戻ってくる。

ババはもともと人に話しかけるのが苦手で、道がわからないから人に聞いたり、出先で空腹になったからひとりで食事をするといった事が出来ない。いつも困った様子を見て周りのひとが声をかけてくれて助かってた。(ほんとうに命救われたってレベルで助けられた事もあり、これもまた別で書きます)

 

そんな中、ある日わたしが仕事から戻ると洗濯機が使われた様子が。見たら母の服。いつものように外出した先でもらして(大)そのままバスに乗り戻ったらしい。日常で買い物は生活のルーチンから外れなかったらしく、未払いで来られても困るので常にいくらかのお金を持たせてはいたけど、それで母は便秘薬を大量に買って飲んで出かけていたのだ。(母の部屋から見つかった)そりゃあ漏れるわね。

もちろん薬は撤収。言い訳もせず「そうなの、出ちゃったのよ」と平然とする母をお風呂に入れて洗濯し直して(洗剤の使用も出来なくなってたから)家中あちこちに便の付いた手で触っていたので消毒薬片手に汗かくわたし。本人は汚したことは理解していたけれど(だから洗濯しようとした)それが恥ずかしいことであるとか迷惑なことであるとかは理解出来なくなってた。

 

このシモ関係は後々も本当にストレスに。

最終的に特養に入れる、と判断したのもシモの事が大きい。大変だよね。これはもう声を大にして言いたい。大変なんだよ。人間の尊厳と言ったら大げさだけど、

 

うんこが日々家族の心をじわじわ傷つけて塩塗り込んできます。うんこが!(大切)

 

そのうんこきっかけで、これはいかんと思い良い顔をしない兄を無視して再び介護認定申請。いきなり要介護3の認定。

新たに担当になったケアマネに「良くここまでご家族だけでみてましたね」と。わたしは「ああそうか、家族だけでみなくてもいいのか」とここでやっと気づいた。我慢のしどころがうまくわからなくなっていたんです。

これはわたしの過去の経験のこともあって、我慢という感覚が少し鈍感になっていたせいもあるので、通常はもっと早く介護申請する家庭が多いそうです。というかみんなしようね、1日も早く介護申請はしようね。

 

はてさてこの介護認定とはどうすればよいのか。下記はうちの区の場合。

 

 1.要介護認定・要支援認定の申請

            ↓

2.認定調査員による訪問調査の実施

            ↓
3.主治医による主治医意見書の作成

            ↓
4.介護認定審査会における要介護状態区分の審査判定

            ↓
5.申請者に対する認定結果通知の送付

 

という流れです。実際どうだったかというと

 

1.要介護認定・要支援認定の申請

 我が家の場合は直接近所の「在宅介護支援センター」というケアマネが在中してデイサービスも施設内で行っている中規模の事務所に直接相談に。これは父が存命中、退院出来てもほぼ寝たきりとなるため家の中の段差をスロープにしたり、お風呂に手すりをつけたりの補助を受けるため介護認定を申請する時に相談に行ったところで、結局認定前に父は亡くなったため利用はしなかったのだけど、とても良く対応してくれたため区役所でなくまずこちらに相談、担当ケアマネが決定してそこから役所関係の手続きに。申請書作成では家族構成から生活の内容までみっちりヒアリングされます。この段階でケアマネとがっつりタッグ組めたのが良かった。

 

2.認定調査員による訪問調査の実施

 直接家にケアマネ・区の担当職員が来て本人の様子を調査。家族からのヒアリングが重要になるので、しっかり日常の状態・困っていることを強く主張してくださいとケアマネからアドバイス有り。区の担当者がどれほど力を持ってるかは知りませんが、これも理解の有る方がほとんどですが時々喧嘩ふっかけてるのかという人も居ます。(わたしは実際ひとり危うく首根っこつかんで追い出すかって人に当たった事あり)

この認定調査は初回は翌年更新、その後規定では2年更新だけど日々日々変化が大きいのでそこらへんは数ヶ月で再調査・認定ということも有るとのこと。うちは結局初回含めて今まで4回くらい調査受けた。

 

3.主治医による主治医意見書の作成

 このために我が家は近所のクリニックから紹介を受けて某有名総合病院に転院。目的は認知症に詳しい力のある医師を担当者とするため。地元医がはっきりと「自分の名前よりこの先生の名前で書類を作ったほうが有効」と介護認定について言ってたので、まあお察しくださいという感じ。

 

4.介護認定審査会における要介護状態区分の審査判定

 これはもうどんな様子でどう審査されるかはわかりません。区役所の担当職員や介護に関わる誰かしらが集まってやるみたいですが、直接関わるケアマネが出席したという話しは聞いたことないです。(してるのかもですけど)

 

5.申請者に対する認定結果通知の送付

 郵送でひそやかに届きます。

 

認定がおりる前からケアマネが要介護いくつかをある程度想定してケアプランを作り(想定で2)、それより上の要介護3だったため(※要介護は一番軽いのが1で2・3・4・5と上がっていきます。認知症は身体はしっかりしてたりするとなかなか3以上の判定は出にくいとのこと)予定以上に介護支援を受けられる事になり平日フルでケアホーム・ハウスと呼ばれる介護施設に日中少ない金銭的負担で預けられる事になりました。(とはいえ食費など平均3万程は月々自腹で出します。その後規定以上の金額は区から戻ってきます。我が家の場合は6,000円くらい戻ってた。これは世帯収入などで変動します)

 

もちろん居住してる行政によって上記の対応はまちまちだという事で。

 

こうしてまずは平日の日中比較的近所のケアホームに通う事になったババ。

次はケアホームについて書こうと思います。

 

 

※参考まで、要介護状態っていうのはこういうふうに定められてます。

要介護状態」とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間(原則として6ヶ月間)にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(以下「要介護状態区分」という。)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう(第7条第1項)。要介護状態には、要介護1から要介護5まで5つの要介護状態区分が設けられている。要介護状態にある被保険者を「要介護者」という(第7条第3項)。

 

要支援だと

要支援状態」とは、身体上若しくは精神上の障害があるために入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部若しくは一部について厚生労働省令で定める期間(原則として6ヶ月間)にわたり継続して常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、又は身体上若しくは精神上の障害があるために厚生労働省令で定める期間にわたり継続して日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態であって、支援の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(以下「要支援状態区分」という。)のいずれかに該当するものをいう(第7条第2項)。要支援状態には、要支援1と要支援2の2つの要支援状態区分が設けられている。要支援状態にある被保険者を「要支援者」という(第7条第4項)。